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SUNNYSIDE STORY

時間は命

2017.05.25

雑木を分け入り、茶畑に入り、目で見て確認し手作業で一葉づつ摘み取っていく。
摘み取った葉を広げて、しばらく日光にあてて自然発酵させる。
それにより、花の香りが立つようになる。
そのあと、蒸してホイロ台と呼ばれるものの上で茶葉を揉みながら、成形、乾燥をさせていく。
お茶をつくるプロセスをまとめるとたったこれだけで終わる。
けれど、これにかかった時間は8時間。
大型の機械で大量にしているときは、この半分以下の時間で、何十、何百倍もの量の製品が出来る。
いかに人間の手で何かをつくということが時間がかかり、大変なものかよくわかる。
***
ここしばらく、ホステルの食器などを集めるために香川県に在住の作家さんのところにお伺いすることが多かった。
実際にその制作現場に行き、直接話をすることで、彼らが一つ一つの作品にかける時間、すなわちどれだけの「命」をつぎ込んでいるかがわかる。
そして、これは粗末に扱えないなという、プレッシャーというよりも責任感と呼べるようなものを深く感じる。
次のホステルでは器もそう、食材もそう、そして建物、デザインのすべて。
もっといえば、出会えた人との縁も含めて全てかもしれない。
少しも粗末にすることはしたくない。
きちんとそれらを活かしきること。
それがかけてくれた「命」に対する重い重い責任だと思う。
そして、その責任にこたえることが僕らのレベルをあげてくれることにつながると思う。
僕らはまだ努力するべきことは多い。
今の未熟は恥じることはないけれど、一年たっての未熟を恥じることだけは嫌だ
***

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