「佐賀平野は広い」

こんな平凡なことを考えながら、電車の窓の外の景色を眺めていた。

山に囲まれ、平地の少ない香川で住んでいる僕からすると、この景色はとても新鮮で、収穫をおえた田んぼと畔、水気の消えたベージュと緑の大地が延々と続いている。

どこまでも続き、流れていくこの景色のなかに、ふとひとかけらの色鮮やかなコスモス畑が眼に飛び込んできた。

『うわぁ！きれい！！』

つい声を出してしまうほど素晴らしかった。

ほんとうにありふれた花たちだけど、この場所にこんなふうにあるだけで、それを観る人にいろんなあかるさを感じてもらえる。

『あぁ、きっと僕はこういうものがつくりたいんだ』

そう思った。

そしてこれこそが『アイディア』だ。

お金や技術や意識の有無を問題としないクリエイティブなものをもって、社会にあかるさを示してみたい。