道路掃除夫 ベッポ
2018.07.07
「モモ」に出てくる道路掃除夫ベッポの話を思い出しました。
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「なあ、モモ」と、ベッポはたとえばこんなふうにはじめます。
「とっても長い道路をうけもつことがあるんだ。おそろしくて、これじゃとてもやりきれない。
こう思ってしまう。」
「そこで、せかせかと働きだす。どんどんスピードを上げていく。ときどき目をあげて見るんだが、
いつ見てものこりの道路はちーともへっていない。だからもっとすごいいきおいで働きまくる。
心配でたまらないんだ。そしてしまいには息がきれて動けなくなってしまう。道路はまだ残って
いるのにな。こういうやり方はいかんのだ。」
「一度に道路ぜんぶのことを考えてはいかん。わかるかな?つぎの一歩のことだけ、つぎの
ひと呼吸のことだけ、つぎのひと掃きのことだけを考えるんだ。いつもただつぎのことだけをな。」
「するとたのしくなってくる。これがだいじなんだ。たのしければ仕事がうまくはかどる。こういう
ふうにやらなきゃあだめなんだ。」
「ひょっと気がついた時には、一歩一歩すすんできた道路がぜんぶおわっとる。どうやって
やりとげたかはじぶんでもわからんし、息もきれてない。」
「これがだいじなんだ。」
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