試作品完成
手もみ茶プロジェクトにおける試作品1号が出来上がりました。
地元のお茶職人さんの指導のもと、茶工場を借りてつくりました。
見た目はまずまずの出来ですが、いくつか改善点がある。
1.香気が抜け、滋味がありすぎる感じがする。
恐らく蒸しにかける時間が長かったのだと思う。
お茶は摘んでから最初に発酵を止めるために蒸すという工程がある。
その蒸しが浅いと香りがよくなり、蒸しが深いと滋味が出る。
本来、新宮茶は高地の山間で出来るお茶なので香りが強い。
その個性をより活かすためには浅蒸しをすることが必要。
深蒸しにすると個性が相殺されて普通になる。
あと、萎凋にかける時間をのばすと、発酵が進み、半発酵茶の烏龍茶のような香りが出てくるはず。
個性のないお茶はつくっても意味がないので、様々な組み合わせを検討する。
2、旨味がやや薄っぺらい感じがする。
土壌のミネラル分が豊富であればあるほど、茶の味に深みが出る(複雑になるといった方がよいかも。つまり味とはミネラル分)
よって、茶の木がどれだけ様々なミネラルを土中から吸収しているかで、それは変わってくる。
また、肥料を与えすぎると茶の木自体が甘やかされて根が浅くなり、ミネラル分を吸収する量は減り、与えられた人為的な肥料からうまれる旨味しかしなくなる。
この問題は、肥料を与えることをしていないワイルドなやぶきた種の茶木と比べてみることで検証されると思う。
また、先日発見した岩場などで生えていた在来種の茶木などと比べてみたら面白い。
このミネラルという観点からいうと、淹れる茶器であったり水の問題も出てくるが、余り凝り過ぎると自己満足の世界になるので、とりあえずは茶葉の要点を抑えることに集中する。
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目指しているお茶は、ペットボトルのお茶とは全然違うし、
普段家でごはんと共に飲むお茶とも全然違うので驚くかもしれません。
けれど、一日の中でお茶を主役とした時間があるというのも面白いし、そんな心の余裕をもってもよいのではないかと思います。
時間と手間をかけてこそ得られる充実感・満足感というのは必ずあります。
※海外では、きちんと紅茶やコーヒーのための時間をつくり、それを大切にしています。今の日本では仕事しながら飲んでたりしますが、昔はちゃんとお茶の時間を大事にしていた。
伊藤園さんのおかげでお茶は手軽になりましたが、
大量生産、大量消費をベースとした日常生活のなか見失っているものは多々あります。
よって、この事業のテーマは
「 vs 伊藤園 」とします。
ちょっと待ってろ、伊藤園!!
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